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それがやさしさじゃ困る / 鳥羽和久(文)、植本一子(写真)(赤々舎)
¥1,980
子どもが自分でつかむまで! 大人が「わかったふり」をやめると、対話がはじまる。焦らず、 断ち切らず、観察しつづけるための視点──。学び・進路・日常相談と一年の日記から、関係がほどける瞬間を見つめる教育エッセイ。 『それがやさしさじゃ困る』は、子どもに向けられる「善意」や「配慮」が、時に子どもの心を傷つけ、主体性を奪ってしまうという逆説を、教育現場の最前線で20年以上子どもと向き合ってきた著者・鳥羽和久さんが鋭く描き出す一冊です。 「失敗させまい」「傷つけまい」という大人の"先回り"が、実は子どもの可能性を閉ざしてしまう──。本書では「学校」「親と子」「勉強」「受験」といったテーマを軸に、現代教育の盲点と私たち大人が抱える不安の影を浮かび上がらせます。単なる批判にとどまらず、大人の葛藤や弱さへの眼差しがこめられているからこそ、その言葉は深く胸に響きます。 さらに本書を特別なものにしているのは、ページ下部に並走する一年間の日記の存在です。そこには、卒業生との忘れられない一瞬や、親子の関わりの奥に潜む無自覚な"デリカシーのなさ"への気づきなど、教育の現場で生まれた生の思索が断片的に綴られています。論として伝えられるエッセイと、濾過されない日々の記録が呼応し合い、本書は単なる教育論を超えた、立体的で豊かな手触りを届けてくれます。 解決策を提示する本ではありません。むしろ「間違うこと」「揺れ動くこと」を恐れず、子どもを信じて共に歩むことの大切さを、本書は静かに指し示しています。大人として迷い続ける私たちに寄り添い、伴走してくれる一冊です。 そして本書には、写真家・植本一子さんが鳥羽さんの教室やその周辺で撮り下ろした写真が栞のように差し挟まれています。子どもたちの表情や存在は、エッセイや日記で綴られる思索に呼応し、本書を照らし、「いま、ここ」の空気を手渡してくれるでしょう。
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オフショア 第五号 特集「音楽の聴き方について考える」
¥2,200
『オフショア』はエッセイを中心としたアンソロジー形式の文芸雑誌です。アジアの音楽やアートの情報を発信するウェブマガジン「Offshore」(2011~)が、紙の文芸雑誌となってリニューアルしました。2022年8月創刊。速い情報発信ではなく、「やすい」や「おいしい」でもないアジア。じっくりアジアを考えます。 第五号では、初めて特集を設けてみました。題して「音楽の聴き方について考える」。音楽とアイデンティティ、音楽と“政治”、音楽とアジア表象――。これまでで最も多様な視点を盛り込み、かつ重層的な号となりました。 ■特集「音楽の聴き方について考える」 ・女のインドネシア・ポップス(武部 洋子) ・タイポップと真剣に向き合ったらダイナミック琉球にぶち当たった(DJ 817) ・インドネシアのジャズを聴く会ドキュメント[於:実験的談話室 主水 MONDO](佐藤 マタ) ・中華世界へのまなざし―台湾で撮影されたミュージックビデオを観る(長嶺 亮子・山本 佳奈子) ■生徒として、教員として―とある美術部の歴史とはなし(金 潤実) ■BARよなき2024年業務日誌[抄録](よなき) ■台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係―1990年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として「メディアづくりを通じた市民意識の醸成とは」(和田 敬) ■ザイ・クーニンの表現にみるアイデンティティ―血、海、家(齊藤 聡) ■自炊アナキズム(高岡 大祐) ■私の弘大漂流記(清水 博之) ■消費主義的アジアンカルチャーから足もとのアジアへ(山本 佳奈子) 表紙写真:イラスト:petechen ロゴ・表紙デザイン:三宅 彩 @miyakeaya 四六判・並製本・288ページ・モノクロ
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大切なことはDIVAが教えてくれた ゲイの僕が家族やミソジニーと向き合うまで / 富岡すばる(青弓社)
¥2,200
マドンナや浜崎あゆみ、テイラー・スウィフトほか、差別に抗い、音楽を通して主張しつづけている10人のDIVAの魅力に迫る。彼女たちにエンパワーメントされた経験や、曲を通して気づいたミソジニーやルッキズム、家族の存在についてつづるエッセー集。 もともとオペラ歌手を指し、「わがままな女性」への揶揄としても使われてきた「DIVA」は、近年では女性歌手に敬意をもって使われる言葉へと変化している。本書では、ヒット曲を次々に発表しながら、女性差別や人種差別、LGBTQ差別に抗い、音楽を通して主張しつづけている10人のDIVAを取り上げる。 「大切なことはDIVAが教えてくれた」。「FRaU」や「CINRA」に寄稿する人気ライターが、これまで聴いてきたDIVAの楽曲を紹介しながら、エンパワーメントされた経験をつづり、彼女たちの曲やスピーチを通して気づいたミソジニーやルッキズム、家族の存在について思いを書く。 自己表現を恐れないでと鼓舞するマドンナ、孤独について歌い続ける浜崎あゆみ、「いい子であれ」という抑圧と闘うテイラー・スウィフトほか10人の魅力に迫り、DIVAを追い続けたこれまでを振り返る。音楽とDIVAスピリットに彩られた書き下ろしエッセー集。 目次 まえがき 第1章 ゲイというプライド――マドンナ 自分自身へのカミングアウト 「自分自身を表現して」という言葉 フェミニズムとの出合いと男らしさの呪い LGBTQアクティビズムとの共闘 プライド月間に寄せて 第2章 終わりのない孤独――浜崎あゆみ 孤独を歌うあゆ 「居場所を探して街をさまよう少女たち」のロールモデル 全曲本人作詞によるライフソング セクシュアルマイノリティーへのエンパワーメント 消えない孤独とともに生きること 第3章 血も戸籍もつながっていない家族――ピンク SMバーでみた男女のポジション 身内という存在について考えさせられたコロナ禍 ピンクが見せる2つの「家族」 僕にとっての「家族」というもの 第4章 愛せない容姿を抱えて――ビヨンセ 3回やっても満足できなかった整形 「手術が必要なのは魂のほう」と歌う「Pretty Hurts」 ルッキズムが引き起こす痛み ゲイ男性であることとルッキズム 差別される側から差別する側へ 自分自身に幸せを感じているか 第5章 自分のなかのミソジニ――テイラー・スウィフト 女性のほうが楽に稼げる? 「いい子(Nice girl)」でいること カントリー音楽界の保守性 「ビッチ」という烙印 無意識のミソジニー、捨てられなかったホモフォビア 僕はゲイ差別をするゲイだった 第6章 アイドルへの崇拝と絶望――ブリトニー・スピアーズ 自分を忘れるための「アイドル」 初めて好きになったアイドル、ブリちゃん 同世代のロールモデルとしてのアイドル すべてがエンタメとして「消費」される恐ろしさ アイドルとの同化をやめる 第7章 神様はかつて男性だった――アリアナ・グランデ 「神は女性」というカルチャーショック 「天のお父様」へのお祈り 固定観念へのアンチテーゼ キリスト教とセクシュアルマイノリティーへの抑圧 僕にとっての神様とは 第8章 愛しているけど嫌いという自己矛盾――ホイットニー・ヒューストン 「矛盾している」ことへの恐れ 歌手ホイットニー・ヒューストンが内包する矛盾 彼女は嘘をついていなかった I'm Every Woman――私はあらゆる女性 第9章 愛国心なき者――レディー・ガガ ここに残るための、たった一つの理由 この国に生きるゲイとしての無力感 「日本がいやなら海外に行けばいい」 自分たちにとっての「国歌」 ルールを破ることではなく、自分なりのルールを作ること 第10章 「母」が受けるバッシング――松田聖子 痛みを伴う、自由の体現 アイドルから「スキャンダルの女王」へ キャリアも夢も追いかける母親像 松田聖子と母というDIVAの原風景 プレイリスト あとがき 著者プロフィール 富岡 すばる(トミオカ スバル) 1985年生まれ。ライター。「FRaU」や「CINRA」に音楽・映画などのエンタメおよび、セクシュアリティーや政治についての記事を寄稿している。 Xアカウント:@Lily_to_Rose
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戦争と芸術の「境界」で語りをひらく 有田・大村・朝鮮と脱植民地化 / 山口祐香、チョン・ユギョン(花束書房)
¥2,200
陶製手榴弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む歴史と表現――。 若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアート。自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。 有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、排外主義を考えるために、さまざまな歴史課題を問い直しながら、差別と忘却に抗う言葉を記録する。 [まえがき]「場違い」な私たち――朝鮮と日本をめぐる境界の歴史 チョン・ユギョン 第1章 「大村収容所」から「大村焼」まで 山口祐香 第2章 〈大村焼〉シリーズ/ドットシリーズ/KKWANG!シリーズ 作品解説 チョン・ユギョン 第3章 [対談]ローカルからとらえなおす「戦争と芸術」 第4章 B面の日韓越境史 山口祐香 第5章 [対談]「境界線」でぶつかる音を表現し、語る 第6章 牛歩と遊歩──制度のはざまを歩く チョン・ユギョン 第7章 「故郷」をつくる――有田・人とうつわの400年史 山口祐香 本書のテーマをもっと考えるためのBOOK GUIDE 主要参考文献 初出一覧 山口祐香【著】 1993年佐賀県生まれ。九州大学韓国研究センター助教。2021年九州大学大学院地球社会統合科学府博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、ソウル大学日本研究所客員研究員、神戸大学国際協力研究科特命助教などを経て、現職。 専門は、戦後日韓関係史、在日コリアン史、市民運動史。最近は現代日韓におけるアートと多文化共生にも関心を広げている。主著として、『「発見」された朝鮮通信使―在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践と戦後日本』(単著、法律文化社、2024年)など。 チョン・ユギョン/Jong YuGyong【著】 1991年兵庫県生まれ、福岡県在住。2014年に朝鮮大学校美術科を卒業。 2017年からソウルを拠点に作家活動を続けていたが、韓国の兵役法の改正により徴兵対象となったため、2020年末に日本へ帰国。作品では、朝鮮人の「移動」の歴史を検証し、恣意的に引かれる「境界線」や、戦争と文化との関係に問いを投げかけており、近年は有田焼や大村収容所の歴史を調査しながら作品を発表している。
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しゃべって、しゃべって、しゃべクラシー! 憲法・選挙・『虎に翼』 / カニクラブ、國本依伸(タバブックス)
¥1,870
目的のないおしゃべりこそ、民主主義の第一歩! しゃべクラシー=おしゃべり+民主主義(デモクラシー)。 『虎に翼』が縁でつながった、共に関西在住の女性3人おしゃべりユニットとベテラン弁護士。法について学び、選挙の行方を憂い、政治、社会、エンタメ、表現など、縦横無尽に語りまくった。緊急発行して話題となったZINE「参政党憲法をかわりに読んでみた。」を大拡張、読んだらきっとあのモヤモヤを誰かとしゃべりたくなる、元気と勇気と笑いにあふれた1冊。 【目次】 まえがきのおしゃべり NHK連続テレビ小説『虎に翼』をきっかけにつながったカニクラブと國本さん。出会いからZINEの制作、今日に至るまでのまえがきを4人の「おしゃべり」でお届けします。 1章 法でみんな、生き残ることはできる? 『虎に翼』をきっかけに、法や法律について考え始めたカニクラブ。日常にはびこる差別、終わらない戦争や虐殺などに立ち向かう「法」の力はないのだろうか? そんな疑問に答えてもらうべく、法のプロ・國本さんの元を訪ねました。 2章 参政党憲法をかわりに読んでみた。 2025年7月に行われた参議院選挙。「日本人ファースト」を掲げ、差別を煽動する参政党が躍進していることに、危機感を募らせていたカニクラブ。國本さんの呼びかけで、参政党の憲法草案を読み合い、緊急編のZINEを制作することに……。 3章 選挙後、これからどうする? さまざまな問題や課題を残したまま、参議院選挙が終了。この先も続くであろう不安定な状況の中で、ひとりの市民として、チームとして、マジョリティとして、どんなことをやっていけるのか。再び集い、ざっくばらんにおしゃべりしました。 おまけ タイトル案をカニクラした 本書のタイトル「しゃべクラシー」は、おしゃべり+民主主義(デモクラシー)から生まれた言葉です。どんな紆余曲折を経て、このタイトルにいきついたのか。4人で「カニクラする(長時間しゃべることを意味する)」ようすをお届けします。 ・カニクラブ 同級生の女3人のおしゃべりユニット。ドラマや映画などを出発点に、フェミニズム、仕事、政治などについて好き勝手に、真剣に、しゃべりあった内容を収録した鼎談型「おしゃべりZINE」を制作・販売する。 ・國本依伸 大阪弁護士会所属。2002年弁護士登録。2011年度日弁連海外派遣留学生(UCバークレー)。現在は大阪市内にてクニモト法律事務所を開業するとともに保育園理事長を兼務。 編集 浪花朱音 装丁 小松洋子 装画 金 明和 四六判・並製・192ページ
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生活史の方法 ——人生を聞いて書く / 岸政彦(ちくま新書)
¥1,155
地域で、大学で、学校で、家族で、個人で。第一人者による、最良の手引き。 沖縄で30年にわたって聞き取り調査をしてきた著者が、「他者の話を聞く」ことについてまとめた一冊。 「ひとりの人間の、人生の語り」が生活史です。この本は、生活史を聞いて原稿を書き、冊子にまとめて作品とするための手引きとして書かれています。生活史の美しさ・おもしろさから、そのむずかしさ・暴力性まで、これまでの考えをまとめた一冊です。 「この本では、生活史を聞いて書くうえでの、技術的なことを含めたさまざまなことが書かれていますが、本書はいわゆる「マニュアル本」ではありません。……聞き取りをめぐるさまざまなことを書いて、それをきっかけに、他者の話を聞くということについて考えてみたい。この本はそんな本です。」 岸 政彦(きし・まさひこ) 1967年生まれ。社会学者。京都大学大学院文学研究科教授。研究テーマは沖縄、生活史、社会調査方法論。著作に『同化と他者化』『街の人生』『断片的なものの社会学』『ビニール傘』『マンゴーと手榴弾』『図書室』『リリアン』、共著に『地元を生きる』『生活史論集』、編著に『東京の生活史』『沖縄の生活史』『大阪の生活史』『調査する人生』など多数。 判型:新書判 ページ数:304
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まちは言葉でできている / 西本千尋(柏書房)
¥1,980
「再開発の言葉」から、「足もとの言葉」へ。「まちづくり」現場の20年を記録した、抵抗の随筆集。 “行政やデベロッパー主導の「まちづくり」に「わたし」は居ない。町にはひとりぼっちで居られる場所も、ひそかに涙を流す場所も必要だ。” ――森まゆみさん “暮らしに対して、ひとりひとりが誠実であるとはどういうことか。こういうことだったのだ。” ――武田砂鉄さん “行政やデベロッパー主導の「まちづくり」に「わたし」は居ない。町にはひとりぼっちで居られる場所も、ひそかに涙を流す場所も必要だ。” ――森まゆみさん “暮らしに対して、ひとりひとりが誠実であるとはどういうことか。こういうことだったのだ。” ――武田砂鉄さん 都市計画の中で妊婦や子どもや障害者や女性や高齢者の存在が想定されていないこと、安全で快適な空間のためにホームレスの人々が排除されてきたこと、「公園まちづくり制度」の名の下に緑豊かな公園がなぜか消えていくこと、歴史ある町並みや昔ながらの銭湯を残すのがこんなにも難しいこと、「創造的復興」が被災者の生活再建に結びつかないこと―― 目の前にあるまちは、どのようにして今あるかたちになったのか。誰がそれに同意したのか。住民にまちを変えていく力はあるのか。「みんなのため」に進められる再開発の矛盾に目を凝らし、その暴力性に抗っていくために、専門家や行政の言葉ではなく、生活にねざした言葉でまちを語り直したい。 “すベて景色の前には「言葉」がある。わたしたちは「言葉」でまちをつくってきた。ある日突然、そこにブルドーザーが現れるのではない。必ず、その前に「言葉」がある。だからその「言葉」が変われば、ブルドーザーの現れ方も、立ち入り方も、去り方も変わり、まちのかたちも変わる。”(本文より) 「まちづくり」に関わるようになって約20年、現場で味わった絶望と反省を、各地で受け取った希望を、忘れないために記録する。ごくふつうの生活者たちに捧げる抵抗の随筆集。 【著者略歴】 西本千尋〈にしもと・ちひろ〉 1983年埼玉県川越市生まれ。NPO法人KOMPOSITION(居住支援法人)理事/JAM主宰。2003年から商店街、景観、観光、歴史的建築物、町並み保存、エリアマネジメント、居住支援等、各種まちづくりに携わる。跡見学園女子大学兼任講師。 判型:四六判 ページ数:216
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シモーヌ 2025年夏号 [特集1]食とジェンダー [特集2]フェミニストが知っておきたいセックスワーカー運動(サッフォー)
¥1,760
◎現代書館から刊行されていた『シモーヌ』が、茨城県つくば市にある「本と喫茶サッフォー」さんによってリニューアル復刊されました。 当店でも2F展示を行ってもらった小林美香さん https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/2ylcBo03 の鼎談やSWASHメンバーの寄稿もあり!「セックスワーク イズ ワークやっちゅーねん」の展示 https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/EKTEUqjt も少し載っています。 〈以下、版元HPより〉 シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』出版から70年後の2019年、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」から一歩先を目指すために現代書館から創刊した『シモーヌ』が、分断と孤立を越えるコレクティブなフェミニストマガジンとしてサッフォーからリニューアル刊行! 【目次】 [特集1]食とジェンダー Miyabi Starr 〔漫画〕反響板をうちうちてートランスジェンダー男性主人公プロジェクトー 小林美香×中村佳太×山田亜紀子 〔鼎談〕広告から考える嗜好品とジェンダー 児玉美月 女たちの人生をより深く味わうための「食」表象 中村桃子 「女を食べる」に潜む性暴力の正当化:ことばがつくるセクシュアリティ 栗田隆子 病と食:自己責任と外見、あるいは健康 真鍋祐子 韓国弾劾デモにみる《縁食》の風景:広場で分かちあう「おむすび」の意味をめぐって 保井啓志 ジェンダー視点から見たイスラエルの「ヴィーガン・ナショナリズム」:肉食/菜食とユダヤ人の男性性 [特集2]フェミニストが知っておきたいセックスワーカー運動 青山薫 フェミニストだから主張する、セックスワークを「まともな仕事」に。 セックスワーク・アクティヴィストってどんな人?:SWASH代表げいまきまきさんインタビュー 聞き手・菊地夏野 ESWA(ヨーロッパセックスワーカー権利同盟)/firda people[ 訳] セックスワーカーのためのフェミニスト: 私たちのマニフェスト 菊地夏野+イムジョンファ 韓国におけるセックスワーカー運動の現在:スカーレットチャチャインタビュー イムジョンファ 〔解説〕韓国の「性売買特別法」の影響と運動 女工團結生産線&台北市公娼自救會 公娼制廃止に関するQ&A 〔資料〕売春防止法をめぐる抵抗 戸谷知尋 キャロル・リーに捧ぐ:「セックスワーク」に込められた政治的意味 [論文] キャリー・ハミルトン/山﨑燈里〔訳〕 セックス、労働、肉食:ヴィーガニズムというフェミニストの政治学 [連載] ヨヨミ ヘルシー♡メルシー 第1回 ドレヤ・クラーク MUSIC SPOTLIGHT VOL.1 SWASHのSLUTS GO EVERYWHERE Vol.1 yonie yonieの日記 EP.1 江戸川ズル ズルちゃんののりこえめし その1 We are HERE. We are EVERYWHERE. ① げいまきまきのワイルド・サイドを歩け! 第1回 四六判 ソフトカバー 160ページ
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鶴橋SQUARE / 李信恵 編著(影書房)
¥2,090
◎大阪・関西でも未だにくり返されているヘイト街宣・ヘイトデモ。〝反差別カウンター〟としてそれぞれが路上に立ってきた歴史を聞き書き。今の時代だからこそ改めて振り返り、路上に立つ勇気を与えてくれる作品なので、ぜひ読んでほしいです! 8/24に大椿ゆうこさんと李信恵さんによるイベント、10/10にも安田浩一さんとのトークイベントを開催しますので、詳細はMoMoBooks HPをご覧ください。 〈以下、版元HPより〉 「差別主義者に居場所はない!!」 「レイシスト帰れ」 「私の友人に手を出すな」 「仲良くしようぜ」 「KANSAI AGAINST RACISM」 …… 大阪のコリアンタウン・鶴橋をはじめ、 関西各地でくり返されてきたヘイト街宣・ヘイトデモ。 これに抗議の意思をぶつけるため、どこからともなく集まってきた 〝反差別カウンター〟の人たち。 彼・彼女らは、 何をきっかけに、どんな思いで路上に立ったのか。 「鶴橋大虐殺」発言から10年。それぞれの涙と笑いの年月を、 自らもカウンターに立ち、「反ヘイトスピーチ裁判」でたたかってきた 李信恵氏による32名へのインタビューでふりかえる。 装画 : 金 明和 四六判 366ページ
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ドキュメンタリーで知るせかい / 宇多丸、伴野智(リトルモア)
¥3,080
SOLD OUT
◎様々な社会問題を、血の通った「自分事」として考えさせる優れたドキュメンタリー作品31本を紹介解説。 〈以下、版元HPより〉 ライムスター宇多丸の映画本、 今回のテーマは「ドキュメンタリー」! 世界の時事に強くなれる ドキュメンタリー作品31本を語り尽くす! ガザの虐殺、クルド人弾圧、SDGsの現実、中国の急成長と葛藤、難民増加…… 目にし、耳にしながらも、「情報」として聞き流してしまいがちな日々のニュース。 優れたドキュメンタリーには、それらのニュースを立体的な「生身の声」として実感させる力がある。 他人事だと思っていた社会問題が、身近な、血の通った「自分事」に思えてくる。 「知る義務」がある。すでに我々は「当事者」だ。 - - - 宇多丸── こんな短時間で、こんな濃密な、こんな深い衝撃を受けられるメディアは、やはりドキュメンタリー以外にないんじゃないか… 伴野── 地獄のような所でも、多くの人々が懸命に生きている。そんな人間の姿を見つめながら「生きる意味」を考えることは、自分の生き方を見つける大きなヒントになると思います。 (それぞれ本文より) - - - ■各分野のエキスパートによる寄稿も! ・阿古智子〈発展する中国〉 ・岡真理〈パレスチナ/イスラエル問題〉 ・荻上チキ〈難民〉 ・勝又郁子〈クルド人とクルディスタン〉 ・宮永健太郎〈環境問題〉 知る・見る・考えることへの一歩を踏み出すために。 日ごろドキュメンタリーを観ない人にこそ読んでほしい。 現代人必修の書、誕生です! - - - 本書で紹介する作品は、すべて「アジアンドキュメンタリーズ」で配信中。 1本から、すぐ観られる! ドキュメンタリー映画専門の動画配信サービス 「アジアンドキュメンタリーズ」 https://asiandocs.co.jp/ 四六判 並製 432ページ
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『愛と連帯 非正規労働者、国会へ』大椿 ゆうこ(地平社)
¥1,760
SOLD OUT
◎MoMoBooksは応援しています!表紙や中身のイラストは当店でも展示を行ってくれた https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/sC7E1Mze アーティスト・アクティビストの金明和さん!! 8/24には刊行記念イベントも開催します。(配信アーカイブは9/7まで視聴可能。) https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/HDwBj9hj 〈以下、版元HPより〉 働く人たちの使い捨てを許さない。 私は氷河期世代。非正規の仕事で生きてきた。 解雇され闘った経験を経て、国会議員に。 あなたと一緒に闘う、ブレない政治家のストーリー。 <著者プロフィール> 大椿 ゆうこ (オオツバキ ユウコ) (著) 参議院議員。厚生労働委員会所属。社会民主党副党首。就職氷河期世代で、30代まで非正規雇用を掛け持ちして生計を立てる。2006年より関西学院大学で障害のある学生の就学支援事業に携わるが、2010年、上限4年の有期雇用を理由に雇い止め解雇となる。継続雇用を求め3年9か月闘うが、原職復帰は叶わず。2011年から大阪教育合同労働組合の専従役員として、主に非正規労働者の権利獲得のために活動。2016年、同労組執行委員長。2023年4月、繰上げ当選で国会議員に。 岡山県高梁市出身。実家は兼業農家。家族はカタルーニャ人のつれあいと保護猫2匹。 <もくじ> 第1章 解雇された非正規労働者、国会へ 1 就職氷河期時代に社会へ――「失われた世代」を生きる 2 非正規労働という不条理――有期雇用で雇い止め 3 生きていた労働組合――次の勝利のために 4 労働を変え、社会を変える――政治活動、3回の落選 5 国会議員に――労働問題にこだわる 第2章 女性の声を政治へ 1 女性が政治家になるということ 2 シングル・非正規の女性はこの社会をどう生きのびるか 3 少子化問題と就職氷河期世代――非正規雇用の入口規制を 第3章 権利のための闘い 1 維新政治と労働組合バッシングがもたらしたもの 2 弾圧される労働組合――関西生コン事件 3 戦後責任を果たす――長生炭鉱の歴史を刻む 4 すべての人の人権が守られる社会へ 対談 藤川瑞穂×大椿ゆうこ 労働者を使い捨てにする企業と闘う 和田靜香×大椿ゆうこ シングル・非正規女性の生きづらさと政治 寸法 : 四六判 ページ数 : 208ページ
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沖縄の生活史 / 監修 石原昌家、監修 岸政彦、編 沖縄タイムス社(みすず書房)
¥4,950
2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。 沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。 「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」 (岸政彦、まえがきより) 「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」 (石原昌家、あとがきより) 判型 A5判 頁数 880頁
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Tシャツの日本史 / 高畑鍬名(中央公論新社)
¥2,200
裾さばきの歴史的変遷から、日本の若者を覆う同調圧力の謎を解く。 古来、Tシャツはずっと日本史の死角にあった。 日本の若者たちは、まわりの友達と同じようにTシャツの裾をさばかないと「みっともない」「ださい」と言われ、笑われてしまう世界に生きてきた。 しかし、未だかつてインとアウトの変遷や構造を説明する者はいなかった。 だから考えたいのだ。この呪いを解く方法を。 Tシャツの日本史を書くこと。 それは日本で発生した同調圧力の遍歴を書き留めることだ――
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世界自炊紀行 / 山口祐加(晶文社)
¥2,750
SOLD OUT
【世界には、今晩の献立を考えない人たちがいる】 自炊料理家の著者の元に寄せられる「献立作りが苦痛」「いつも同じ料理ばかりでマンネリに」「スーパーで途方にくれる」 という自炊に悩める人々の声。これって日本だけ?「世界の自炊」はどうなっているんだろう?と思った著者は飛行機に飛び乗っていた――。 2024年の間に全世界12か国、38家庭を取材。それぞれ各国から2家庭を厳選し、合計24組の自炊事情を12種の自炊レシピと共に紹介する。同時代を生きる人々、それぞれの「自炊する意味」とは。 【推薦】 奥野克巳(文化人類学者) 「12か国の食卓を巡る旅の果てに、 いちばん意外だったのは日本人の自炊だった」 内澤旬子(文筆家、イラストレーター) 「和食はもちろん、中華イタリアン、フレンチ、エスニックと自国以外の料理も何品も作り、栄養衛生にも配慮する。 しかも担うのは主に女性……などなど、日本の家庭料理にまつわる「常識」は世界からはどう見える?? 自炊料理研究家が世界各地の自炊人を訪ねて作り味わう自炊紀行。現地レストランでも味わえない自炊レシピ満載」
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わたしがいるあなたがいるなんとかなる 「希望のまち」のつくりかた / 奥田知志(西日本出版社)
¥1,870
生きる意味のない“いのち”なんて、あってたまるもんか 困窮者支援のその先へ、誰もが「助けて」と言い合える居場所、 「希望のまち」が誕生する 北九州市で生活困窮者を支援するNPO 法人抱樸(ほうぼく)。1988年12月から路上で暮らすホームレスに弁当を配ることからスタートし、現在は居住や就業、子ども・家庭、障害福祉支援など29 の事業を展開する。 著者は抱樸理事長で牧師の奥田知志氏。奥田氏と同法人の職員が出会った路上に生きる人や生きづらさに苦しむ人とのエピソード、新型コロナを経て現場で感じる社会の変化を綴る。単身世帯が増え、孤立が深まる中で自己責任論が蔓延、誰もが苦難に陥る可能性が高まっている。 こんな状況の中、2026 年秋、三十数年の活動の集大成ともいえる「希望のまち」が完成する。この“まち” はどんな人も一人にしない“なんちゃって家族” になれる場所。分断と格差が広がり、偏見と差別が交じり合う社会に一石を投じる試みが始まるのだ。抱樸が理想とする「希望のまち」が生まれるまでの歩みと、未来への提言が満載。北九州の武内市長と小説家の町田そのこさんとの鼎談も収録。 <著者プロフィール> 奥田知志(おくだ・ともし) 1963年、滋賀県大津市生まれ。認定NPO 法人抱樸理事長、東八幡キリスト教会の牧師を務める。14歳でキリスト教徒に。関西学院大学神学部に入学後、大阪の釜ヶ崎に通うようになる。以来、ホームレスや困窮者の支援に携わる。その後、西南学院大学神学部専攻科を卒業、九州大学大学院博士課程後期単位を取得。1990年、日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師として赴任。認定NPO法人抱樸とホームレス支援全国ネットワークの理事長、公益財団法人共生地域創造財団の代表理事、全国居住支援法人協議会の共同代表を務める。 主な著書に『もう、一人にさせない』『いつか笑える日が来る 我、汝らを孤児とはせず』(共に、いのちのことば社)、『「逃げ遅れた」伴走者―分断された社会で人とつながる』(本の種出版社)、「助けてと言える国へ」(共著・集英社新書)など著書多数。 296ページ 四六判
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バザールカフェ ばらばらだけど共に生きる場をつくる / 狭間明日実、佐々木結、松浦千恵、野村裕美、マーサ メンセンディーク、白波瀬達也(学芸出版社)
¥2,200
こんな場所が社会にたくさんあってほしい 豊かな庭と建築、名物は日替わりの多国籍料理。目指すのは、LGBTQ、依存症、HIV陽性、外国籍…異なる現実を生きる人々が出会い、変わっていくこと。変わらなくても生きられる社会をつくること。そんな場をつくってきたバザールカフェの社会福祉士、ボランティア、宣教師、研究者らの実践レポート。
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今日もよく生きた ニューヨーク流、自分の愛で方 / 佐久間裕美子(光文社)
¥1,760
SOLD OUT
◎MoMoBooksでもイベント出演して頂いた佐久間裕美子さんによるエッセイ。写真はモモさん手作りポシェット購入された際のもの。 〈以下、版元HPより〉 ニューヨークに暮らして約30年。 この街で出会った人々から教えてもらい、少しずつ築き上げたセルフケア、セルフラブの道具箱のおかげで、なんとか自分らしく生き抜いてきた。 揃えた道具を取り出しては自分という存在を理解すること、許すこと、愛することを身につけるためのすべを、もがきながら習得しようとしてきた著者。 呑気に無傷で生きるなんてできない社会の中で、「今日もよく生きた」と自分に言ってあげたくなる一冊。
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自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件 / 京都新聞取材班(講談社)
¥1,870
SOLD OUT
2019年7月18日に起きた京都アニメーション第1スタジオへの放火。 36人もの尊い命が奪われた悲惨極まりない事件はなぜ起きたのか。 被告の青葉は、公判で自身のことを「底辺の人間」と呼び、「底辺の論理」によって罪を犯したと話した。 事件を防ぐ手立てはなかったのか。 遺族が直面した喪失と、極限の悲しみ、苦しみに私たちはどう向き合えばいいのか。 これらの問いに答えるため、地元紙ならではのネットワークをいかして遺族に寄り添い、6年間取材を積み重ねた。 2024年度新聞協会賞を受賞した地元紙・京都新聞の連載「理由」をもとに書き下ろした一冊。 ――「はじめに」より―― この男は何者なのか? 社会を震撼させた事件が2019年7月18日、京都市にある京都アニメーション第1スタジオで起きた。 放火により36人が死亡、32人が重軽傷を負った。 地元紙の京都新聞は過去最大級の取材態勢を組み、事件の背景や犠牲者の人となりなどを精力的に報じた。 しかし、抜け落ちている大きなピースがあった。それは、現場近くで身柄を確保され、後に放火や殺人容疑などで逮捕、起訴された男の実像。 大やけどを負い、懸命の治療で一命をとりとめたが、初公判までの4年間、供述内容や近況などの情報は極めて断片的にしか入らなかった。 最後のピースが、公判を通じてついに埋まる──。 しかし、取材班の思惑は、公判が始まると戸惑いに変わっていった。 第1章 暴走 現場近くの公園/惨劇/逃走/娘との対面 第2章 喪失 涼宮ハルヒにそっくり/『氷菓』に託した青春 第3章 遺族 メディアスクラムのなかで/風化への思い/実名か匿名か 第4章 半生 初公判/「バオウ」と呼ばれた少年/真面目にやっても報われない 第5章 執着 京アニとの出会い/無差別殺人/連鎖/司法と福祉の狭間で 第6章 対峙 敬称の理由/11分間/手紙/叱ってくれる人 第7章 罪科 死刑囚の心/控訴取り下げの理由/喪失の痛みを抱えて など 256ページ
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爆弾犯の娘 / 梶原阿貴(ブックマン社)
¥1,980
◎梶原さんの幼少期からこれまでの人生を振り返った自叙伝。タイトル通り「父」との関係から映画俳優〜脚本家になり、現在公開中の「桐島です」に関わるまでのジェットコースターのような人生は圧巻です。一気読み推奨! 9/13には当店でトークイベントを開催します。 https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/kOBN2BK0 ぜひ観覧・配信(アーカイブ2週間)でご覧ください。 〈以下、版元HPより〉 「見つかったらどうなるの?」「逮捕されちゃう」左翼、革命、学生運動、自己批判、人民の子 ……父は、何を守りたかったのだろう? 1970年代、 連続企業爆破事件の実行犯の一人として指名手配。 50年もの逃亡の末、 2024年1月に実名を明かして亡くなった、桐島聡。 彼の生き様を描いた映画『桐島です』(監督:高橋伴明)は 当時の学生運動の描写がリアルだと話題だ。 本作のシナリオを書いたのは、 同じく高橋伴明監督とタッグを組んだ『夜明けまでバス停で』で 数々の評価を得た注目の脚本家・梶原阿貴。 1973年生まれの彼女がなぜ、この作品を克明に書けたのか? それは、彼女の父親も桐島聡と同じように爆破事件に関与し 指名手配され逃亡していたからだった。 逃亡の中で生まれた娘。家族は嘘を重ねていく。 娘は嘘の渦に翻弄される。 それでも「家族」は終わらない。では革命は? 「黙っていたけど、あなたのお父さんは、 役者でクリスマスツリー爆弾事件の 犯人なの。あなたが生まれる前のこと。 それからずっと、十四年も隠れて暮らしてるの」 「見つかったらどうなるの?」「逮捕されちゃう」 左翼、革命、学生運動、自己批判、人民の子 ……父は、何を守りたかったのだろう? 本書で伝えたいのは 「どんな環境に生まれても、努力次第で人生は切り拓ける」 ということでは断じてありません。 うまくいかないこと全部を「自分のせい」だと思わずに、 適度に親のせいにしたり、他人のせいにしたり、 社会のせいにして生きていきましょう。 そして自分に余裕ができた時には、 社会全体をみんなで変えていきましょう。 やさしさを組織していきましょう。 映画「桐島です」公式HPは こちら→ https://kirishimadesu.com 288ページ
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戦争と農業 / 藤原辰史(集英社インターナショナル)
¥792
◎9/5に 藤原辰史さん出演トークイベントを開催します。https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/NV_JQCug ぜひ観覧・配信(アーカイブ2週間)でご覧ください。 〈以下、版元HPより〉 二十世紀以降の戦争や政治が変質している根っこには、効率を重視した食の仕組み、それを支える農業の仕組みがあった! 農業技術の発展は、戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に。逆に毒ガスは平和利用の名のもと、農薬に転用される。本来、人間の食を豊かにするはずのテクノロジーの発展が、現実には人々の争いを加速させ、飽食と飢餓が共存する不条理な世界を生み出している。この状況を変えるために、わたしたちにできることを考える。 新書判 208ページ
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イスラエル=アメリカの新植民地主義――ガザ〈10.7〉以後の世界 / ハミッド・ダバシ著、早尾貴紀訳(地平社)
¥2,750
◎9/5に刊行トークイベントを開催します。https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/NV_JQCug ぜひ観覧・配信(アーカイブ2週間)でご覧ください。 〈以下、版元HPより〉 〈10.7〉以後、私たちは共犯者となった パレスチナ虐殺を目の当たりにしながら、私たちは何もできないままなのか――。故エドワード・サイードの同志で思想的継承者のハミッド・ダバシが見出した新たな「抵抗」の可能性。世界は植民地主義に加担し、「占領」「統治」「戦争」などといった概念は転倒する。ヨーロッパ中心主義的な「理性」を徹底的に批判した論説集。 もくじ 訳者まえがき(早尾貴紀) 日本の読者へ 1 欧米はいかにイスラエルを「再発明」しているのか 2 イスラエルのプロパガンダ主要10点を論駁する 3 「川から海まで」のスローガンを取り戻す 4 米国の大学キャンパスにおけるパレスチナ支援活動を弾圧するシオニストの努力が無駄に終わる理由 5 イスラエルの対ガザ戦争にはヨーロッパ植民地主義の歴史全体が含まれている 6 ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した 7 対ガザ戦争は、パレスチナ解放神学と福音派シオニズムの対立を浮き彫りにする 8 評論家たちはいかにフランツ・ファノンの遺産を歪曲しているか 9 ヘーゲルの人種差別的哲学がヨーロッパのシオニズムに与えた影響 10 米国大統領選:バイデンとトランプは殺人コインの表裏である 11 フランチェスカ・アルバネーゼを恐れるのは誰か? 12 イランの反撃はイスラエルに警告を与えたが、焦点は依然としてガザにあるべき 13 欧米はパレスチナの教育に対するイスラエルの攻撃に直接責任がある 14 米国大学キャンパスにおける抗議運動――エドワード・サイードは、この瞬間を大切にしたことだろう 15 ヒラリー・クリントンは大学キャンパスの抗議という潮の変わり目がもつ倫理的な力を理解できない 16 ガザでのジェノサイドは国外イラン人の反体制派の終焉をいかに決定づけたか 17 老化したバイデンとリベラル帝国主義の危機 18 ドナルド・トランプ暗殺未遂はアップルパイ並にアメリカ的だ 19 バイデンと同じくカマラ・ハリスはイスラエルの大量虐殺に全面賛同している 20 コリー・ブッシュが人種差別と植民地主義の勢力に立ち向かった 21 ハイファの隠された歴史が、静かで美しいパレスチナ映画のなかに姿を現す 22 なぜイランはイスラエルに報復してこなかったのか? 23 タナハシ・コーツはいかにしてリベラル・シオニズムから脱却したか 24 米国大統領選挙で、なぜ有権者はファシズムと大量虐殺的シオニズムのどちらかを選ばなければならないのか? 25 ニューヨーク・タイムズ紙は、反ユダヤ主義を報じても、ジェノサイドには触れない 26 ジミー・カーター、歴史の流れを変えたピーナッツ農家 27 ガザ・ジェノサイドの余興――テルアビブで『ロリータ』を観る 28 仮面は外され、そしてトランプとイスラエルは地球を不動産に変えた 29 イスラエルとアメリカの蛮行が歴史の負け組にあることを示す四冊の本 30 マフサ・アミーニーの抗議はイラン政権と反対派、双方の失敗を露呈した 31 トランプが異常なわけではなく、外国人嫌悪はアップルパイ並みにアメリカ的なのだ 訳者あとがき(早尾貴紀) 四六判上製 304ページ
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いつの日かガザが私たちを打ち負かすだろう -早尾貴紀対談集- / 早尾貴紀(青土社)
¥3,080
◎パレスチナ/イスラエル研究、社会思想史研究者の早尾貴紀さんによる対談集。9/5には当店で早尾さん出演のイベントもありますので、ぜひこちらもチェックしてください。https://momobooks.jp/RmX8KLhJ/NV_JQCug 〈以下、版元HPより〉 〈ガザ〉に断罪される世界 パレスチナではいまなお多くの人たちが傷つき、そして、先鋭化を増すアメリカをはじめとした世界の暴力的な構造の中心に、ガザがある。この現実を前に、私たち自身にあらためて真剣に問うべきこととは何か。歴史、文化、社会、政治といったさまざまな視点による6つの対話。
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『ソウル・サーチン 〜「沖縄」を描き続ける男・新里堅進作品選集および評伝〜』著者 : 新里堅進/藤井誠二[編]安東嵩史(リイド社)
¥3,850
「沖縄で、沖縄を描く」ことに人生を捧げてきた漫画家・新里堅進ーーその鬼気迫る作品群と半生 沖縄を代表する劇画家・新里堅進は、1978年『沖縄決戦』でデビュー以降、沖縄戦をはじめ沖縄の歴史・文物を描き続けてきた。 極めて多作であるが本土では数作が刊行されたのみで、その50年の画業のほとんどを「沖縄で、沖縄を描く」ことに捧げてきた。 戦後80年。いまだ世界では戦争の惨禍やまぬ中、戦後生まれのひとりの人間が取り憑かれたように描き続ける「地上戦」とはいったい何なのか……戦後の沖縄文化史、そして日本漫画史におけるミッシング・ピースとも言うべき新里の人生とその作品を通じて問い直す戦後80年特別企画。 判型 : 四六判 ページ数 : 912ページ
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半分姉弟 / 藤見よいこ(トーチ)
¥880
〈以下、版元HPより〉 「姉ちゃん、俺、改名したけん。」 フランス人の父と日本人の母を持つ〈米山和美マンダンダ〉は、弟から突然の告白を受ける。 生まれ育ったはずの日本で「異物」と見なされても、笑って流していたけれど…。 「ハーフ」と呼ばれる人々の日常と溢れる感情を鮮やかに描いた、わかりあえなさと手を繋ぐ群像劇。
