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GHOST / 大嶋宏和(ジーオーティー)
¥1,595
◎MoMoBooksイチオシの漫画家・大嶋宏和さんの新作。グラフィックノヴェル好きにも強く推したいです! 妻を亡くした元尾吾郎(36)、売れない芸人を続ける野村満(37)、離婚して祖母の家で暮らす富士夫岳志(34)。同じ工場で働く3人がなんとなくツルむのは年齢が近いという共通点でのみ。暗闇一歩手前の日々にブライトサイドはあるのか?
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多聞さんのおかしなともだち 上 / トイ・ヨウ (KADOKAWA)
¥858
SOLD OUT
「きみが、自分が……人に、どんな名前で呼ばれたいんか、教えてやーー」 子どもん頃。 うちには母の友人達がしょっちゅう遊びに来とったけど、わたしはたぶん、この人に一番なついていた。 うちに遊びに来る、母と母の彼女の友人達には、女の人が好きな女の人も、男の人が好きな男の人も、男の人が好きな女の人も、どっちのことも好きな人も、どちらでもない恋人がおる人もおったけど。 多聞(たもん)みたいな人はーー。 いつだって一人で、口を開けば多聞にしか見えない友達のことばかり。 妖精、妖怪、ぼうちに魔女。 人間よりも、幽霊やおばけが好きな人。 こんな妙な大人は多聞だけ。 多聞、あのおかしな人だけだった。 ★ 他の人には見えない、人ならざるものとの会話を愉しむ、妙な大人、“多聞”。 レズビアンの母達と暮らし、誰を愛しても祝福される環境で、誰のことも恋愛として愛することができないと悩む、“内日(うつい)さん”。 そして、内日さんの呼びかけに応え出現したものの、自分の名前を忘れてしまった不思議な仔、“多聞の友達”。 クィアな家庭で育ったアロマンティックの子の、繊細な揺らぎ。 自分のことを、あなたのことを、わかっても、わからなくても、ここにいるという事実を語り合うことがきっとできる、ひと夏の不思議な、大阪の物語。
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多聞さんのおかしなともだち 下 / トイ・ヨウ (KADOKAWA)
¥858
SOLD OUT
「ーーなあ、ほんまに誰かそこで、わたしの話、聞いてくれてたりする…?」 ーー名前を忘れてしまった多聞(たもん)の友達。 話し相手になってと頼んできたのに、 わたしにばかり質問してくるきみにーー… ずっと会いたかったような…… こんな気持ちになるのは、なんでなんやろう。 ★ 他の人には見えない、人ならざるものとの会話を楽しむ、妙な大人、“多聞”。 そして、二人の女と暮らしている子、“内日(うつい)さん”と、自分の名前を忘れてしまった不思議な仔、“多聞の友達”。 女性同士の恋愛を友情と呼ばれ、なかったことにされてきた親達と、本当のことをまだ話せないでいる、わたし達。 時代を超え、国境を越え、どこかにいて、どこかにいた、三人だったり四人だったり、恋人だったり家族だったりする、さまざまなセクシュアル・マイノリティの親子達。 人と人が、普通で、時には最悪で、でもハッピーで、退屈でありきたりな毎日の話を、誰にどんなふうに話せばいいのかわからないと思っていた話を、語り合う。 恋愛をする人も、しない人も、わからない人も、決めてしまいたくはない人も、ただ覚えていてほしい、忘れないでほしい、ひと夏の大阪の物語。
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太郎とTARO / 大白小蟹 (リイド社)
¥4,950
新たな戦争の時代に突入した今、次世代のマンガ家が絵で語る戦争の寓話。 「沖縄の歴史や、沖縄戦を本書に重ねて読む人もいるだろう。 あるいは、現在拡大しつつある戦禍を想起する人もいるかもしれない。 文字のない表現は、物語の解釈や意味づけを読者へ委ね、さまざまな解釈を可能にする表現である。 本書は人々に、対立と戦争について、それぞれの方法で考えさせる機会をもたらすだろう。」 山本美希(マンガ家・筑波大学准教授) デビュー単行本『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』にて宝島社「このマンガがすごい!2024」オンナ編1位にランクインし各所から注目を集める話題の新鋭・大白小蟹。その原点となる作品を書籍化! ●あらすじ むかしむかしあるところに「赤い人」と「青い人」はそれぞれ平和に暮らしていた。 その日、波はいつものようにおだやかだった。 しかし、彼らは最悪の形で出会ってしまい…? ●見どころ 本作『太郎とTARO』はオールカラー・サイレント・コミックであり、 外函から取り出すと『太郎』と『TARO』の2冊の本が入っています。 ⽂字無しで絵とコマで表現することで解釈の余地が⽣まれ、 「戦争」や「対⽴」について読み⼿それぞれが経験に照らし合わせ考えを 巡らすことができるような普遍的な寓話になるよう制作されました。 絵本のような親しみやすいタッチで『太郎』と『TARO』の2つの視点で描かれた 2つの本は私たちにごく当たり前でとても大切なことに気づかせてくれます。 暴力の始まる地点を捉えたことばのない絵物語を、永く読み継ぎ、大切な人に手渡したい2冊セットの上製本を外函入りでお届けします。
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しんきらり / やまだ 紫(光文社文庫)
¥880
自分を手に入れた。なんて大 きな開放だろう。 山川ちはるは、会社勤めの夫と二人の娘と暮らす専業主婦だ。他人から見たら平凡かもしれない、子育てと家事に追われる毎日の中で、ちはるは様々な思いを抱き、感動している。子供の成長に驚き、夫の無理解に震え、そしてやがて自分自身を発見する――。雑誌「ガロ」で連載、主人公の精神を瑞々しく描き出し 、読者からの強い共感を得て読み継がれてきた感動の名作。 360ページ
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となりのとらんす少女ちゃん / とら少(在野社)
¥1,815
◎ついカテゴライズされたイメージにとらわれたり、自分が解釈しやすい目線で物事を見てしまいがちだけど、とら少さんの作品はそれだけではないもっと複雑な現実の中で揺れ動く登場人物たちの繊細なゆらぎを描き出していて、ふわっと視界を明るくしてくれました。 当店でも様々なジェンダー・セクシャリティ関連の書籍を扱っていますが、その棚をさらに豊かにしてくれている作品です。 この作品を多くの人に届けられるよう、本屋としてお手伝いができたらと思います。 〈以下、版元HPより〉 トランスジェンダー当事者が確かに刻む、現代の「トランスガール」の肖像。 新鋭・とら少、渾身のデビュー作! SNS上でトランスジェンダーが登場する作品を数多く発表してきた作者・とら少。当事者だからこそ描けるリアリティと、人間の深部に肉薄する力強い筆致を特徴とし、セクシャルマイノリティ当事者を中心に共感の輪を広げてきた。 一時は漫画制作を断念しようとしていたものの、単行本化を熱望する声にこたえ活動を再開。出版にむけて実施されたクラウドファンディングでは開始初日に目標額を達成するなど、いま注目を集める漫画家のひとりである。 大きな反響を呼んだ3篇のリメイクに書き下ろし1篇を加え、満を持して商業デビュー! これは、いつかきっとすれ違った、わたしたちのとなりに生きる「とらんすちゃん」の物語。 収録作品 1.退廃的なとらんすちゃん 2.弟はとらんすちゃん 3.未来から来たとらんすちゃん 4.似つかわしいとらんすちゃん A5版/192p 装丁:はちみつちひろ(小月デザイン) 印刷・製本:藤原印刷株式会社 <帯文> 虹色に光ることもなく、ピンクとブルーに別れることもない、トランスの生を一度は満たす灰色の感情がただよっている。 ——高井ゆと里(倫理学者『トランスジェンダー入門』) 「わかりやすい物語」の先にある、現実のトランスジェンダーのリアリティに触れる、新鮮な経験。 ——三木那由他(哲学者『言葉の展望台』)
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ダーリンはネトウヨー韓国人留学生の私が日本人とつきあったら / クー・ジャイン 著・翻訳、金 みんじょん 翻訳 (明石書店))
¥1,385
韓国人留学生の私が日本人とつきあったら 期待を胸に日本で留学生活を始めた韓国人のうーちゃん。サークルで出会った日本人の先輩いっしーと付き合うことになった。付き合って一ヶ月、いっしーが「きれいな日本語」を喋ってと言ってきたのだけど…積み重なるモヤモヤの先にしたうーちゃんの選択とは? A5変・176ページ
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東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)/ かつしかけいた (トゥーヴァージンズ)
¥1,210
「東京には“東”がある」 自分が生まれ育った「東東京」は、まだまだ知らないことばかり……。ムスリムの大学生・サラ、エチオピア人の両親を持つ小学生のセラム、不登校の中学生・春太。ルーツも年齢も区区(まちまち)な3人が東東京を歩き、新たな魅力や今まで知らなかった場所、気付かなかったことを見つけ出していく地元発見冒険譚! 【訪れたまち】 葛飾区立石、墨田区押上、葛飾区柴又、葛飾区新小岩、江戸川区小岩、江東区枝川、荒川区荒川 ほか 2024年より、グローバルな活躍を目指すマンガ家や編集者をサポートし、多様な日本マンガの国際的な認知と価値を向上させることを目的としたプロジェクト”Manga International Network Team(MINT)”の第1回育成対象作品に選出されました! https://www.mint-mangaproject.com/
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ザ・バックラッシャー 1巻 / 岡田索雲 著(双葉社)
¥748
何か為せると信じていた人生は、何も為せぬまま折り返した。 その選択は正か否か。門倉莫、もうすぐ44歳、無職…ヒーローコスチュームを身にまとい、失った何かを取り戻そうと一念発起。前途多難な仲間集めが始まる…! 『メイコの遊び場』『ようきなやつら』の岡田索雲、超待望の本格新連載!
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アンチマン 岡田索雲短編集 / 岡田索雲 著(双葉社)
¥880
◎収録の短編「ある人」が素晴らしいです。 webアクションで公開され40万PVを獲得しSNS上で大きな話題となった表題作「アンチマン」や、同じくwebアクションで公開され10万PVを獲得した「ある人」を収録。さらに、2008年に新人賞大賞を受賞したデビュー作「ブラックタイガー」など、現在までに発表された単行本未収録の読切を収めた短編集! 漫画家・岡田索雲、その才の発現と轍。待望のストーリー連載『ザ・バックラッシャー』単行本第1巻と同時発売!
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キリング・アンド・ダイング / エイドリアン・トミネ 著、長澤あかね 訳(国書刊行会)
¥3,740
アメリカン・グラフィック・ノヴェルの旗手による 不器用で、奇妙で、愛おしい人々の人生模様―― 〈アート・ブック×コミック×純文学〉を達成した最新作品集 突如アートに目覚める植木職人の理想と現実、ポルノ女優そっくりの顔で悩む娘の告白、口下手なのにスタンダップ・コメディアンを目指す少女とその父の葛藤……現代で最も才能あるグラフィック・ノヴェリストの一人エイドリアン・トミネが、6通りのビジュアル・語り口で繊細かつ鮮烈に描く、静かに胸に突き刺さる6つの人生の物語。オールカラー愛蔵版で登場! 解説:クリス・ウェア 〈彼の描く20コマには、小説家が一生かけて描くよりも多くのアイデアが詰まっている〉………ゼイディー・スミス 〈純文学寄りの漫画家として、ひそかに願う――「そういう本」を創りたい、と。そういう本とは、普段漫画を読まない、文学好きの人にも届く本。事前に説明や釈明をしなくても、作品の姿勢や人間性、複雑さを通して、雄弁に語る本のことだ。エイドリアン・トミネの『キリング・アンド・ダイング』は、ついに登場した「そういう本」なのかもしれない。僕はこの本に度肝を抜かれ、勇気づけられている〉………クリス・ウェア ・エイドリアン・トミネ (エイドリアン・トミネ) 1974年カリフォルニア生まれ。現在ブルックリン在住の日系4世。カリフォルニア大学バークレー校では英語文学を専攻。コミック作家として〈オプティック・ナーヴ〉シリーズを描き続けるかたわら、イラストレーター、アーティストとしても活躍。インディーバンドのアルバムジャケットから「ニューヨーカー」誌の表紙まで数多く手掛ける。著書に32 Stories(1998)『スリープウォーク』(98、邦訳プレスポップ刊)、Shortcomings(2007)などがある。 ・長澤あかね (ナガサワアカネ) 関西学院大学社会学部卒業。広告代理店に勤務したのち、通訳を経て翻訳者に。訳書にニーナ・ルヴォワル『銀幕に夢をみた』(PHP研究所)、ミック・オシェイ『ワン・ダイレクション・ノー・リミット』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、トム・シャドヤック『恐れと真実の対話 生命の取扱説明書(トリセツ)』(講談社)などがある。 判型 B5変型判 ページ数 128 頁
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恋とか夢とかてんてんてん 1巻 / 世良田波波(マガジンハウス)
¥1,100
切なさに、愚かさに、必死さに、痛いほど心が震える。 夢みて上京して10年、さえない毎日をおくるカイちゃん。 憧れだった東京が、今は苦しい。そんな彼女が見つけた光。 ーー29歳フリーター、人生を変える恋におちた。 平常心じゃいられない片想いの「ぜんぶ」が詰まった、 初期衝動全開の話題作!!
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草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー / キム・ジェンドリ・グムスク 著、都築 寿美枝 翻訳、李 昤京 翻訳、原 正人 解説、吉見 義明 解説、梁 澄子 解説、笠原 十九司 監修(ころから)
¥3,300
世界中で絶賛される グラフィックノベルの傑作を完訳刊行 韓国出身のグラフィックノベル作家、キム・ジェンドリ・グムスクが2017年に発表した作品を完訳。 日本軍「慰安婦」イ・オクソンのリビング・ヒストリーをベースにした480ページに及ぶ大作は、グラフィックノベルの傑作と称され、ニューヨークタイムズが「ベストコミック2019」に選定するなど欧米でも高く評価されている。 戦時性暴力、植民地支配下での女性の痛みを描いた本作の理解を深めるために、バンド・デシネ翻訳家、歴史学者らの解説を収録。 ・キム・ジェンドリ・グムスク プロフィール 1971年、韓国・高興生まれ。グラフィック・ノベル作家。韓国(世宗大学絵画科)とフランス(ストラスブール国立装飾美術学校)で絵画を学び、取材をもとにした作品を多数発表。2017年刊行の『草』は、フランス語、英語、イタリア語などに翻訳され、ニューヨークタイムズで「ベスト・コミック2019」に選ばれるなど高く評価されている。おもな作品に『チスル』、『ジュニ兄さん』、最新作『裸木』(いずれも未訳)など。 ・都築 寿美枝 プロフィール 「関釜裁判を支える福山連絡会」代表。2018年韓国・聖公会大学NGO大学院卒業。2015年『終わらない冬』(日本機関紙出版センター)を共訳。 A5判、上製、488ページ
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スターマン デヴィッド・ボウイ、「ジギー・スターダスト」時代の肖像 / ラインハルト・クライスト 作、エドガー・フランツ 訳、深見麻奈 訳(花伝社)
¥2,420
一人の青年は、いかに伝説になったのか―― ドイツ発!新たな描写でデヴィッド・ボウイを甦らせる渾身のグラフィックノベル! 伝説的アーティスト、デヴィッド・ボウイの代表的ペルソナ「ジギー・スターダスト」。奇抜で妖美でありながら、不朽の名盤をものにした70年代の救世主は、どこから来て、どこへ行ったのか――。 不世出のポップアイコンの少年時代からベルリン時代前までを描いた ドイツを代表するコミック作家による、まったく新しいボウイ評伝! 判型・ページ数 A5変・180ページ
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THE BEST WE COULD DO 私たちにできたこと 難民になったベトナムの少女とその家族の物語 / ティー・ブイ=著 椎名ゆかり=訳()
¥3,960
第25回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞受賞!! 親を愛することは、こんなにも簡単なのに どうしてこれほどまでに難しいのだろう? ボートピープルとしてアメリカで育った少女ティー・ブイ。 母になった彼女は、両親との溝を埋めるため、祖国ベトナムと再び出会う。 それは、両親の苦悩や痛みと向き合うことでもあった…… 「分断」の時代に生きる私たちを照らすノンフィクション・グラフィックノベル ビル・ゲイツが年間ベスト・ブックに選出 アメリカン・ブック・アワード受賞 ベトナム系アメリカ人であるティー・ブイは、母になった。アメリカで新しく家族を築いていくこと、そして子供を育てるという不安の中で、彼女は心が離れてしまった両親と向き合う決意を固める。 フランス、日本、アメリカ……さまざまな国に占領され、貧困と混乱が続いたベトナムを生き抜いてきた両親とその家族。「自分たちの人生を歩んでいきたい」という思いから難民になることを選んだ両親は、新天地アメリカで差別や思い通りにならない現実を前にしながらも、子供たちのために自分たちができる精一杯のことを行なっていく。 歴史に翻弄された両親の歩みにふれることで、ティー・ブイの中に変化が生まれていく……。 作者のティー・ブイが、2002年に制作した自身の家族のオーラル・ヒストリーが出発点となった本作は、5世代にわたるベトナム人家族の歩みを描いたノンフィクション・グラフィックノベルである。 第二次世界大戦や第一次インドシナ戦争、ベトナム戦争といった大きな歴史の中で、難民になりながらも必死に生き抜こうとする小さな家族の姿を、独特な絵や色彩、個性的なコマ割り、練られたモノローグによって描き出している。 ティー・ブイはデビュー作となる本作によって、アメリカン・ブック・アワードを受賞。ほかに全米批評家協会賞やアイズナー賞にノミネートされるなど高く評価された。 過酷な歴史に翻弄される個人を描いたノンフィクションである本作。『マウス』や『ペルセポリス』といった優れた自伝的作品と同様、個人的だからこそ普遍的な物語が紡がれている。 【書評】 言葉のみで表すのが難しい感情を伝える複雑な物語。その物語を独創的に語るという点において、『私たちにできたこと』はマンガとして最良の本である。これはまさに今、広く共有されるべき物語だ。 ——雑誌『ブックリスト』 激しく心揺さぶられる覚悟で読んでほしい。円環する物語と示唆に富む描写に、満足のいく読後感を得られるだろう。10代と大人にお薦め。読者会に最適な1冊。 ——雑誌『ライブラリー・ジャーナル』 ブイは戦争の“鉄”を苦闘の末“金”に変えた。喜劇と悲劇、家族の愛と崩壊が混在する中に、彼女は美を見出している。 ——雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』 魅力的なストーリーに息を呑むほど優美な絵、そして繊細な色使いと表情豊かに美しく描かれたキャラクターが、この作品を特別なものにしている。 ——雑誌『スクール・ライブラリー・ジャーナル』 視覚的に刺激的、そして感動的な作者個人の物語と、難民としての経験への洞察が、波乱に富んだベトナムの歴史と共に描かれている。 ——ニュースレター『シェルフ・アウェアネス』 この本は美しい。複数の国、国境、そして世代を超えたひとつの家族のそれぞれの人生の歴史を描きながら、私的で瞑想的であり、かつとても有益である。 ——Webサイト『ボーイング・ボーイング』 ブイのミニマリスト的なアプローチは、彼女の家族が経験した移民としての厳しい現実から読者の目を逸らせることはない。しかし、同時に、すべての家族が経験する普遍的な苦難や喜びを見逃すことも許さない。マルジャン・サトラピの『ペルセポリス』のファンは、現代的テーマを持つ本作も読んだほうがいい。 ——雑誌『ブックページ』 ブイはこの本に何年も取り組んでいたが、その出版は、今日の渡航禁止令や増大する難民危機のただ中では、切迫した必要性が感じられる。 ——新聞『ボストン・グローブ』 『私たちにできたこと』は感動的な回想録であり、トランプ時代の外国嫌いを中和する作用がある。 ——Webサイト『コミックス・ブルティン』 『私たちにできたこと』は、豊かで複雑なテーマを持ち、悲哀と希望、個人と政治、家族と国家を絡み合せて描いた。重要で思慮深く、愛すべき本である。 ——雑誌『コミックス・ジャーナル』 タイムリーで、心を打つ。 ——雑誌『エンターテインメント・ウィークリー』 アメリカにおける現代の移民体験に向けられた力強く本質的なまなざし。 ——オンラインマガジン『ICv2』 ベトナム戦争の歴史とその戦争の及んだ範囲をより多く理解したいなら、そして過去移民たちが何に耐え、かつ今何に耐え続けているのかをより多く理解したいなら、これ以上の本はない。 ——新聞『スター・トリビューン』 ブイは、歴史的、政治的な物語を個人的なサーガへと編み込んだ。世代から世代へと続く怖れと哀しみと希望の糸を辿ることによって、ブイはあらゆるところに存している難民の人生に説得力のある背景を与えている。 ——雑誌『ニューヨーク・タイムス・ブックレビュー』 アート・スピーゲルマンの傑作『マウス』のように、ブイの回顧録は、ペンとインクで描かれた素朴な絵から複雑な感情を導き出す。 ——新聞『サンフランシスコ・クロニクル』 見事に作られた作品。 ——オンラインマガジン『ティーン・ヴォーク』 ブイが『私たちにできたこと』を2005年に取り組み始めた時、彼女は2017年に本作が出版された時に持つ重要性を予見することはできなかっただろう。しかし、既に出版された今、この本はトランプ時代における社会的テーマを持ったマンガの初期の偉大な1冊であると思う。ブイは、知的に入念で、なおかつ視覚的に魅力的な繊細な物語として、このサーガを作り上げた。 ——Webサイト『ヴァルチャー』 ティー・ブイは素晴らしい手際でストーリーと絵を操り、戦争がもたらすもの、そして世代から世代へと受け継がれるものを描き出した。『私たちにできたこと』は、マルジャン・サトラピが『ペルセポリス』でイランに行ったように、ベトナムに対しても敬意をもってその姿を描き出している。 ——マキシーン・ホンキングストン(作家/『チャイナ・メン』『The Fifth Book of Peace(未)』) ブイの本に私は息を呑んだ。難民危機が続く今こそ、このメッセージが必要なのだ。 ——クレイグ・トンプソン(グラフィックノベル作家/『ハビビ』『Blankets(未)』) 圧倒的で光輝いている。 ——トム・ハート(グラフィックノベル作家/『Rosalie Lightning: A Graphic Memoir(未)』『The Art of the Graphic Memoir: Tell Your Story, Change Your Life(未)』作者) 人間の経験が詳細に、そして広範囲に渡って描かれる。『私たちにできたこと』に私は泣かされた。 ——リーラ・コーマン(グラフィックノベル作家/『Queen’s Day(未)』『Unterzakhn(未)』) ブイの回顧録は、ベトナムの動乱の歴史を背景に、彼女自身の家族の経験を、戦争、貧困、混乱という、更に大きな文脈の中で描く。同時に、その後の日常生活にこれらの重い出来事がどのように影響するかも伝えている。 ——セシリー・ウォン(作家/『Diamond Heat:A Novel(未)』) ブイは一筆も間違えることなく何千ものコマを使い、大陸をまたがって3世代に渡るひとつの家族の肖像を描き出した。『私たちにできたこと』ほど優れたマンガはほとんどない。 ——ジェイク・ワイアット(グラフィックノベル作家、アニメーション作家/『Ms.マーベル——スマホ世代とか言われても』『Necropolis(未)』) 両親の歴史の影のもとで母親になることを考察した本作は、未来を描くために過去を描く作者自身の物語である。親になった子供である私にとっても、これは次の世代に引継ぐべきものについての、情緒的で内省的で教訓的な物語だ。 ——G・B・トラン(グラフィックノベル作家/『Vietnamerica: A Family’s Journey(未)』) 『私たちにできたこと』は教えてくれる。どうやって、恐怖に「ノー」と言い、真実に「イエス」と言えばいいかを。 ——フェイ・ミエン・イン(作家/『骨』『Toward Rock(未)』) 『私たちにできたこと』は、戦争の記憶を覆う壊死した皮膚を焼き払い、その皮膚の下にあるものを明らかにする。それは、別の種類の戦争についての物語―母親、父親、息子、娘についての残酷なまでに私的であり、私的なまでに残酷な物語を表す生の肉―である。絶対読むべき本。 ——ローレンス・ミン・ビュイ・デイビス(雑誌『Asian American Literary Review』チーフ・エディター、スミソニアン・アジア・パシフィック・アメリカン・センター学芸員) これはとても個人的な物語だ。しかし、多くの点で普遍的であり、私たちの多くが感情移入できる、慣れ親しんだ喜びと苦しみで満ちている。 ——ペン・アメリカ(団体) プロフィール [著] ティー・ブイ(Thi Bui) グラフィックノベル作家。1975年、南ベトナム生まれ。1978年、難民としてアメリカに移住。バード大学大学院にて彫刻、ニューヨーク大学大学院にて美術教育を学ぶ。大学院時代にオーラル・ヒストリーに関心を持ち、自身の家族の記憶をテーマにしたプロジェクトを始動。家族の軌跡を表現するのはグラフィック・ノベルが最適と考え、2005年より制作を開始し、2017年ついに『私たちにできたこと——難民になったベトナムの少女とその家族の物語』を刊行する。ティー・ブイはデビュー作となる本作によって、アメリカン・ブック・アワードを受賞。ほかに全米批評家協会賞やアイズナー賞にノミネートされるなど高く評価された。共著に『A Different Pond』(Raintree)、『Chicken of the Sea』(McSweeneys Books)がある。 [訳] 椎名ゆかり(しいな・ゆかり) 海外マンガ翻訳者。ボーリンググリーン州立大学大学院ポピュラーカルチャー専攻修士課程修了。海外マンガやマンガを対象にした論文の翻訳のほか、海外におけるマンガの状況についての紹介活動なども行なっている。主な訳書には『マンガ学——マンガによるマンガのためのマンガ理論 完全新訳版』(復刊ドットコム)、『アメリカン・ボーン・チャイニーズ——アメリカ生まれの中国人』(花伝社)、『ナンシー——いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』(DU BOOKS)、『ファン・ホーム——ある家族の悲喜劇 新装版』(小学館集英社プロダクション)などがある。 判型 : B5変形・並製 頁数 : 348頁
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秒速5000km / マヌエレ・フィオール 著、栗原俊秀 翻訳、ディエゴ・マルティーナ 翻訳(マガジンハウス)
¥3,300
ヨーロッパを代表する漫画家 マヌエレ・フィオールの恋愛漫画ついに初邦訳 イタリアの肌を刺すような日差しの中 二人の少年と一人の少女が恋に落ちる イタリア、ノルウェー、エジプトと場所を変えながら 三者三様の人生が淡く交わる20年を描く恋愛漫画 この傑作グラフィック・ノヴェルを 美麗なフルカラー印刷でお楽しみください 巻末には訳者である栗原俊秀の詳細な解説付き 栗原俊秀「フィオールに魅せられて―文学、美術、建築が綾なす漫画の世界―」 <推薦のことば> フィオールさんの作品が翻訳されて、日本で読めるようになったのは本当に嬉しい! 作品の中にゆったりと流れる時間と、美しい色彩には映画とも小説とも漫画ともつかない、独特の気持ち良さがあって眺めているだけで幸福感を覚えます。———伊坂幸太郎(小説家『重力ピエロ』『クリスマスを探偵と』) <担当編集者より> 『秒速5000km』にはナレーションがありません。登場人物のセリフだけで構成されています。フィオールは「あれから10年…」といった野暮な文章は入れずに、ルチアとピエロの人生の6つの場面を断片的に見せることで、わずか140ページで20年の月日を描き切ります。その6つの場面は、イタリア、ノルウェー、エジプトと地理的なヴァラエティに富んでおり、1つの章に1つの舞台だけが描かれるという制約が課せられています。そのため離れ離れの2人をつなぐ、電話や手紙といったコミュニケーション手段が印象的なガジェットとして描かれます。書名の『秒速5000km』は、オスロ(ノルウェーの首都)とエジプトの発掘現場の物理的な距離=5000kmと、国際電話のタイムラグ=1秒に由来しています。またこの地理的な国際性から、イタリア語、ノルウェー語、フランス語、英語、エジプト語の5つの言語の使用する規格外の試みが導かれます。ヨーロッパでは、EUによる「移動の自由化」(ノルウェーはEU非加盟国)や移民の増加などで他国籍、他言語の人と共生するのが日常になり、自らが他国で労働/生活することもありふれた人生の選択になっています。このような現実の反映が『秒速5000km』の国際性につながっているのでしょう。日本でも外国人労働者の数は、本書が出版された2010年から増え続けており、今後、国力の低下により国外で働く日本人の数も増え続けるでしょう。本書は21世紀の人々の心象に寄り添うものとして、2023年の日本において新たな価値が見出されるはずです。 ページ数:160頁 寸法 : 1.5 x 17 x 24 cm
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アステリオス・ポリプ/ デイヴィッド・マッツケーリ 著、矢倉喬士 著、はせがわ なお 著(サウザンブックス社)
¥6,380
別れた妻を思うニューヨークの建築科教授が 偶然たどり着いた町で新しい自分に変わっていく アステリオス・ポリプはニューヨークの大学で教鞭をとりつつ、「ペーパー・アーキテクト(設計図だけの建築家)」として名を馳せた著名な(元)建築学教授。 彼は妻のハナと別れてからというもの、過去の幸せだった日々を振り返るだけの無気力な生活を送っている。 50才の誕生日を迎えた夜、彼が住む建物で大規模な火災が発生する。 彼は大慌てで思い出の品をいくつか手に取ると、ほうほうの体で自宅を飛び出す。 それは彼が過去を見つめ直し、人生をもう一度やり直すための第一歩だった̶̶。 二項対立に囚われたアステリオスの数奇な運命を語るのは、彼の死んだはずの双子の兄弟。 物語は建築・美術・音楽・演劇・文学・哲学などの要素を散りばめつつ、20世紀から21世紀へと向かうアメリカの歩みと共振し、公民権運動やベトナム戦争や9.11同時多発テロといった歴史的事件と邂逅する。 完成まで約10 年の歳月を費やし、出版後はアイズナー賞3部門とハーヴェイ賞3 部門を初め、多くの賞に輝いたアメリカ発のグラフィックノベルのひとつの頂点。世界のさまざまな言語に翻訳され、15年にもわたって日本語版が待望されていた傑作がここについに翻訳! この作品では、ある男が50年の半生を振り返って別の人生のあり方を探求するという個人的なテーマの裏に、20世紀後半のアメリカの歩みが何を間違った結果9.11同時多発テロに至ったのかという壮大なテーマがパラレルで進行する。物語冒頭でアステリオスが住むアパートに雷が落ちて火災が発生するが、このアパートはツインタワーを模しており、さらに、黄色ベースで描かれる過去や夢の中の場面では何の説明もなく飛行機が小さく飛んでいることが多く、ツインタワーと飛行機のイメージが繰り返し登場する。20世紀後半のアメリカの歩みにおいて、経済格差は拡大し、環境は破壊され、マイノリティ民族は不満を持ち続けてきたのだと、アステリオスはアポジーの町の個性的な人々との出会いを通して気づかされる。ここにおいて、一人の男がこれまで見過ごしてきた事物との出会いを経て失った妻との関係をやり直せるかどうかというテーマは、アメリカが見過ごしてきたものを直視することによって「有りえたかもしれぬもう一つのアメリカ」を創出できるかというテーマと対を為すことになる。 『アステリオス・ポリプ』は、オルフェウス神話や『オデュッセイア』を下敷きにしたストーリーラインや、次々に登場する個性的なキャラクターたちも大きな魅力だが、グラフィックデザインもまた特筆すべき要素である。例えば、モダニズム建築(ガラス・鉄・コンクリートを用い、柔軟かつ洗練された機能美を持つ建築様式)をこよなく愛する主人公アステリオスの体は、モダニズム建築を体現するかのようなデザインで描かれ、その妻で、植物や生物をモチーフとして使用するアーティストのハナは、有機的で繊維質のデザインで描かれる。異なるキャラクターが異なる質感で描き分けられ、彼らが打ち解けたり喧嘩したりして関係性が変化する際に体の質感ごと変化していく描写は、グラフィックノベルならではの表現の可能性を存分に引き出している。 デイヴィッド・マッツケーリ (著/文): デイヴィッド・マッツケーリは、1960年生まれのマンハッタン在住のコミックアーティスト。1980 年代からフランク・ミラーと共同制作を行い、マーベル・コミックスの『デアデビル: ボーン・アゲイン』(秋友克也訳、ヴィレッジブックス)や、DCコミックの『バットマン:イヤーワン/イヤーツー』(秋友克也・石川祐人訳、ヴィレッジブックス)で大きく評価される。1990年代になると、ヒーローコミックから距離を置いて個人的な創作に打ち込み、妻のリッチモンド・ルイスと共にコミックアンソロジー『ラバー・ブランケット』を編集・出版する。1994 年には、小説家ポール・オースターの同名小説をグラフィックノベル化した『シティ・オブ・グラス』(森田由美子訳、講談社)で新境地を開拓する。そして2009年、約10年の歳月を費やしたオリジナル長編グラフィックノベル『アステリオス・ポリプ』で、アイズナー賞3 部門とハーヴェイ賞3 部門を含めた多くの賞を受けた。 2022 年には、コミックス文化への生涯の功績が称えられ、アイズナー賞の殿堂入りアーティストに名を連ねた。 矢倉喬士 (翻訳): 大阪大学で現代アメリカ文学を研究。 小説家ドン・デリーロの作品を扱った博士論文を執筆後、小説、映画、グラフィックノベル、ドラマ、ビデオゲームなどを対象に現代アメリカを多角的に考察している。 共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(2020年、書肆侃侃房)、共訳にタナハシ・コーツ『僕の大統領は黒人だった』(2020年、慶應義塾大学出版会)がある。 はせがわ なお(翻訳): 読書愛好家の会社員。 東京都出身。 大学で英米文学を学ぶ。 未 邦訳書籍を紹介するブログ「#わたしだけのブッククラブ」と、友人 とやっているポッドキャスト「#それにつけてもファンガール」を更新中。 現在はとりわけアジア系アメリカ人文学に興味を持っている。最近注目している作家はCathy Park HongとKatie Kitamura。 A4変形版/上製本/344ページ/4色
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キンドレッド グラフィック・ノベル版 / オクテイヴィア・E・バトラー=原作 ダミアン・ダフィー=翻案 ジョン・ジェニングズ=絵 小澤英実=訳(フィルムアート社)
¥4,180
血縁をめぐる歴史が鞭となり、私の身体に新たな傷を刻み、血と涙を流させる―― 人種差別/奴隷制という負の歴史の否定が、己の実存を脅かすというパラドックス…… 19世紀初頭のアメリカ南部にタイム・スリップした主人公・デイナは、そこでの混沌と絶望に何を見いだし、何に引き裂かれたのか。 オクテイヴィア・E・バトラーが残した、人種とアイデンティティをめぐる“グリム・ファンタジー”の傑作が、グラフィック・ノベルにて登場。 2017年 ブラム・ストーカー賞受賞 2018年 アイズナー賞 最優秀翻案作品賞受賞 1976年のカリフォルニア。若い黒人女性デイナは、ある日突然謎の声に導かれ、南北戦争前のアメリカ南部へとタイムスリップをする。 そこでデイナは、メリーランドの農園近くの川で溺れている白人の少年を救出する。少年ルーファスはウェイリン・プランテーションの跡取り息子であった。 命の恩人であるはずのデイナは、ルーファスの父親が経営するプランテーションで奴隷として生きることになる――。 自身の命が危険に晒されると現代に、ルーファスの命が脅かされると過去へタイムスリップするデイナ。タイムスリップを繰り返すうちに、デイナは自分の血の中に流れている秘密に直面することになる。このふたりを結ぶ絆の意味とは――。 SF、ファンタジー分野における卓越したストーリーテラーとして知られ、フェミニズムやアフロフューチャリズムの文脈でも近年再評価の機運が高まる、アフリカ系アメリカ人作家オクテイヴィア・E・バトラー。 2006年に59歳でこの世を去ったバトラーだが、サラ・ピンスカーやN・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォーなど現代を代表するSF作家に大きな影響を与えている。 世界50万部発行のベストセラー小説『キンドレッド』が、著名な学者でありコミック・アーティストのダミアン・ダフィーとジョン・ジェニングズによって待望のグラフィック・ノベル化。バトラーの代表作として世界的に知られる本作は、奴隷制度がもたらした暴力と人間性の喪失を、SF的な仕掛けを用いたロマンス、歴史小説として巧みに描いている。 人種、性、権力、そして人間であることの意味をめぐる諸問題を探求するバトラーの視点は、刊行から40年以上経った今なお新たな読者を引きつけ続けている。 判型 : B5判・並製 頁数 : 256頁
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『ソウル・サーチン 〜「沖縄」を描き続ける男・新里堅進作品選集および評伝〜』著者 : 新里堅進/藤井誠二[編]安東嵩史(リイド社)
¥3,850
「沖縄で、沖縄を描く」ことに人生を捧げてきた漫画家・新里堅進ーーその鬼気迫る作品群と半生 沖縄を代表する劇画家・新里堅進は、1978年『沖縄決戦』でデビュー以降、沖縄戦をはじめ沖縄の歴史・文物を描き続けてきた。 極めて多作であるが本土では数作が刊行されたのみで、その50年の画業のほとんどを「沖縄で、沖縄を描く」ことに捧げてきた。 戦後80年。いまだ世界では戦争の惨禍やまぬ中、戦後生まれのひとりの人間が取り憑かれたように描き続ける「地上戦」とはいったい何なのか……戦後の沖縄文化史、そして日本漫画史におけるミッシング・ピースとも言うべき新里の人生とその作品を通じて問い直す戦後80年特別企画。 判型 : 四六判 ページ数 : 912ページ
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半分姉弟 / 藤見よいこ(トーチ)
¥880
〈以下、版元HPより〉 「姉ちゃん、俺、改名したけん。」 フランス人の父と日本人の母を持つ〈米山和美マンダンダ〉は、弟から突然の告白を受ける。 生まれ育ったはずの日本で「異物」と見なされても、笑って流していたけれど…。 「ハーフ」と呼ばれる人々の日常と溢れる感情を鮮やかに描いた、わかりあえなさと手を繋ぐ群像劇。
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ヘンカイパン / エルド吉水(リイド社)
¥1,800
全人類に問う「この星」の未来。死と再生のフィロソフィア。 フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、スペイン、アルゼンチン、メキシコ、ブラジル… 世界各国で出版された話題作、ついに日本上陸! 破壊・殺戮の受命のままに、世界中の大地を焼き尽くす謎の少女・アスラ。 自らの意思を閉ざす彼女の心へ、導師・ペマジュは言葉を通わす。 しかし猶予は尽きていた。 はるか遠く、高くで始まる、審判のとき。 愚かな人類に裁きがくだる。 断罪を経た「この星」の未来に、アスラの思いは届くのか——。 “Εν και παν”(ヘンカイパン) – 世界のすべては神である
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緑の予感たち / 千葉ミドリ(リイド社)
¥880
SOLD OUT
どこかで見たけどどこにもない。ファンタジー渦巻く日本の風景。 ありふれた日常にひそむ不可思議なものたちが動き出す。 新鋭・千葉ミドリが贈る、大注目の短編シリーズ。 その1「カッパの理髪店」※トーチwebにて公開中 男が通っていた理髪店は、かつて恋人だった女が見た夢の中の店だった——。元恋人、川本の心の空洞を埋めたいと願う谷藤は、夢の中のカッパの理髪店に行こうと川本を誘い出すが…? その2「未来の星の下」 西暦2000年のある旅館。時間旅行士を名乗る不審な男が突然現れる。 あやしい未来人と旅館の女中がゲームコーナーで起こす、ささやかなスペクタクル…? その3「あちほ、どこにいるの?」 ある雨の夜。学童バザーの準備のさなかに見つけた絵本は、心の底にいまも残る。 不思議な犬と水に誘われて、私たちは記憶と幻想のなかに迷い込む——。 その4「靴去る」 教育実習で母校を訪れた貝野は早々に自信を失い、気づけば靴まで失くしてしまう。その学校で噂される怪異「クツサル」に靴を盗られた者は正気を失ってしまうというが果たして…。
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『ようきなやつら』岡田索雲(双葉社)
¥880
◎妖怪ものですが随所に社会的なテーマが織り込まれた短編集。特に関東大震災時の朝鮮人虐殺を焦点にした『追燈』は最後まで目をそらさず読んで欲しいです。排外主義や差別の先に何があるのか。 【むかし、どこかに半分置き忘れてきたお化けの魂。 ここにあったのか。 京極夏彦】 WEB上で話題騒然の岡田索雲妖怪読切シリーズ、待望の単行本化! ! 描き下ろしの表題作『ようきなやつら』40P収録! ! 怪異なのは、この物語か。それとも、我々が生きるこの世界か。
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『看護助手のナナちゃん 患者さんとの日々』野村知紗(小学館)
¥763
◎誰にでもある人生のつらい時期、ナナちゃんを読んで過ごしてました。広島弁に癒されます。 看護助手ナナちゃんが過ごす日常。 〈 書籍の内容 〉 広島市内の病院で看護助手として働くナナちゃん。 いろんな患者さんと出会い、そして別れます。 たくさん笑ったことも、ちょっぴり涙したことも全部大切なたからもの。 心の温かくなる、ヒューマンストーリーズ。 〈 編集者からのおすすめ情報 〉 ショート61編収録!著者の実体験を元に描かれた看護助手奮闘記。 日々誠実に患者さんと向き合うナナちゃんの姿に背中を押してもらえるはずです。 単行本タイトルをリニューアルし、この巻からでも楽しめる仕様となっております。 著者作の消しゴムハンコを活用した装丁にもご注目ください。
